文字列
今回のテーマである文字列は前回扱った数字と同じで、変数に代入できる値の一つです。数値以外にも文字列が使えるようになると、プログラムの幅が広がります。
書式
>>> 変数名='文字列'
ここで重要なのは『文字列』を『’』(クオーテーション、[Shift]+7)で囲むことです。もしクオーテーションで囲まないと、文字列かどうかコンピューターが判断できません。クオーテーションによってこれは文字列ですよ、ということを宣言しているわけです。このクオーテーションは『”』(ダブルクオーテーション、[Shift]+2)でも代用できます。実例を見てみましょう。
>>> programing='Python'
>>> programing
'Python'
>>> a=Python
Traceback (most recent call last):
File "<pyshell#0>", line 1, in <module>
a=Python
NameError: name 'Python' is not defined
>>>
試しに4行目でクオーテーションを使わずに文字列を代入してみました。するとエラー(赤字の部分)が出ているのがわかります。文字列の文字はアルファベット以外に日本語もOKです。
>>>> hello='こんにちは'
>>> hello
'こんにちは'
複数の文字列は結合することができます。文字列同士をつなぐには『+』を用います。
>>> x='Hello,'
>>> y='World!'
>>> x+y
'Hello,World!'
『*』(かける)を使うとこんなことが起きます。
>>> string='Go!'
>>> string*10
'Go!Go!Go!Go!Go!Go!Go!Go!Go!Go!'
指定された回数、元の文字列を繰り返します。ところで、数字の計算と違って文字列には『-』、『/』、『%』、『//』はありません。『-』(マイナス)はまだしも文字列同士の『/』(割る)は意味不明です。
終わりにprint()という命令を使ってみましょう。プログラミングの醍醐味は命令です。print()は『( )』の中のもの(数字や文字列)を出力(プリント)します。
書式
>>> print(文字列や変数)
>>> print('python')
'python'
変数も扱うことができます。
>>> mail='Gmail'
>>> print(mail)
'Gmail'
print()のような命令は、正式には関数(かんすう)と呼ばれます。
リスト
次のテーマはリストです。例えば次のような場合に重宝します。
>>> a=1
>>> b=2
>>> c=3
>>> d=4
>>> e=5
>>> f=6
>>> g=7
>>> h=8
>>> i=9
>>> j=10
一つ一つ代入していくととても長く感じられます。こんなとき次のようにまとめられるとしたらどうでしょうか。
>>> number=[1,2,3,4,5,6,7,8,9,10]
>>> number
[1,2,3,4,5,6,7,8,9,10]
これがリストです。ここではnumberというリストを定義しました。複数の要素を『,』(カンマ)で区切って『[]』の中に入れます。一つ一つの要素を取り出したいときには次の書式に従います。
>>> リスト[先頭からの順番]
先頭からの順番は0から始まる数字で指定します。先頭から0番目、1番目,2番目・・・という感じです。先ほどのnumberリストでいうとこんなイメージでしょうか。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
0番 | 1番 | 2番 | 3番 | 4番 | 5番 | 6番 | 7番 | 8番 | 9番 |
実際に要素を取り出してみましょう。
>>> number[0]
1
>>> number[5]
6
>>> number[9]
10
もちろんリストに入れられるのは数字だけではありません。
>>> country=['America','Japan','China','England']
>>> country[3]
'England'
同じリストには数字と文字列を混在させることもできます。
>>> mix=[16,'python',24.5,'now']
>>> mix[1]
'python'
>>> mix[2]
24.5
リストの要素数を数えてみましょう。それにはlen()という命令を使います。len()はprint()と同じく関数(かんすう)と呼ばれる命令です。
書式
>>> len(リスト)
>>> sns=['facebook','twitter','instagram']
>>> len(sns)
3
余談ですがlen()は文字列の文字数を数えるのにも使えます。
>>> x='computer'
>>> len(x)
8
リストの要素は追加・削除もできます。追加と削除には命令を使うのですが、追加用に『append()』、削除用に『remove()』という命令が用意されています。書式です。
書式
>>> リスト.append(追加する要素)
>>> リスト.remove(削除する要素)
『リスト名』のあとには必ず『.』(ドット)を入れてから命令を書きます。実際にはこのように使います。
>>> city=['tokyo','osaka','kyoto']
>>> city
['tokyo','osaka','kyoto']
>>> city.append('kobe')
>>> city
['tokyo','osaka','kyoto','kobe']
>>> city.remove('osaka')
>>> city
['tokyo','kyoto','kobe']
『append()』で追加される要素はリストの一番最後にきます。これらの命令はメソッドと呼ばれています。print()やlen()のような関数とはタイプの異なる命令です。メソッドの語尾には必ず『( )』が付きます。
ここまで文字列とリストでした。今回も記事を読んでくださりありがとうございます。次回もお楽しみに。