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GoogleとYahoo! JAPANの仕組みと収益構造の違い

 現在の日本で検索エンジンといえばGoogleかYahoo! JAPANです。何か調べたいことがあれば、どちらかを利用すれば大抵のことはわかります。でもGoogleとYahooの違いって正直よくわかりませんよね。そもそも検索エンジン自体がどういう仕組みでなぜ無料なのか気になりませんか?GoogleとYahooの特徴をまとめることでそのあたりを解き明かしてまいりたいと思います。

 

Google
Yahoo! JAPAN

 

Google

 「Google Search」は、いわずと知れたIT業界の巨人Google Inc.が運営している検索エンジンです。なんと世界でのネット検索に占めるシェアは91.7%!!世界規模でみれば他に有力な対抗馬がなく、無敵状態となっています。

 

 国内ではYahoo! JAPANというある程度強いライバルがいるのでそこまではいきませんが、それでも68.9%です。ちなみにYahoo! JAPANのシェアは26.6%だそうです。(出典:http://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/japan/#monthly-201701-201801)つい最近までYahooがナンバーワンというイメージでしたが、もうそれは過去のことになってしまいました。

 

 ここ数年日本で急激に伸びた要因はスマホの普及だといわれています。なんといってもiPhoneに搭載されている『Safari』のデフォルト(買った時と同じ状態)の検索エンジンがGoogleですからね。設定を変えないとYahoo検索に変更できないのでそのまま使い続ける人が多いのだと思います。

 

 

 しかもスマホといえばAndroidも無視できませんが、Android自体の開発元はGoogle Inc.です。Androidのデフォルトの検索エンジンを自社製品である『Google検索』にしない訳がありません

 

 こうしてスマホの時代になるにつれて存在感とシェアを高めていったのです。しいて言えばGoogleの検索画面のシンプルさが若者に受けているというのも理由に挙げられるかもしれません。

 

 

 ですがいくらネット検索のシェアが高くても、料金がかからず無料なのに、どうやってビジネスをやっているのか不思議ですよね。そこにはアッと驚く収益モデルがありました。以下のグラフはGoogle社の収益の内訳を示したものです。

 

 

 注目すべきなのは全体の87%を占める『広告収入』の部分です。『広告収入』といっても『Google検索』自体には広告なんて貼られていません。これにはGoogleが展開する『Google AdWords(アドワーズ)』と『Google AdSense(アドセンス)』というサービスが関係しています。

 

 
 
『AdWords(アドワーズ)』とは自社の製品などを宣伝したい企業や個人が利用するもので、広告をネットに掲載する場合に使います。使い方はとても簡単で、自社製品の宣伝画像やキャッチフレーズを登録するだけであとはGoogleが適当な場所に広告を配置してくれます

 

 一方『AdSense(アドセンス)』は、サイトやブログを運営するネット企業or個人が自分のサイトにスポンサーの広告を掲載する見返りに、スポンサー収入を得たいときに使います。こちらも使い方は簡単で、自分のページに広告を置くスペースだけ確保しておけばOKです。

 

 あとはその空いたスペースにGoogleが『集めてきた広告』を自動で表示してくれます。そう、実はこの『集めてきた広告』というのは先ほど紹介した『AdWords(アドワーズ)』に登録された企業からの広告です。

 

 ネットに広告を出したい企業が、広告を掲載してくれる人を探してスポンサー契約を結ぶのは大変です。一方サイト運営者にとってもスポンサーを見つけるのは簡単なことではありませんこの両者をマッチさせているのがGoogleなのです。両者を仲介する手数料として、企業が出す広告掲載料(スポンサー料)の一部をGoogleが受け取る仕組みになっています。

 

 

 その際釣りに関するブログには釣り用具の広告を、メイクテクニックを紹介するサイトには化粧品の広告などなど、関連性の高い広告が表示されるようになっています。サイトと広告の関連性が高いかどうかは、何億もの人が検索した履歴から、Googleのシステムが判断します。

 

 サイト運営者に支払われるスポンサー料は一定額ではありません。そのサイトを訪問した人が、広告をクリックするたびに平均30円の収入が発生します。訪問者が広告をクリックする『クリック率』は約1%といわれているので、100人くれば1クリック、1000人くれば10クリックぐらいの割合です。

 

 つまり訪問者が増えれば増えるほどクリック数も伸びます。サイト運営者は訪問者を増やすために、良質なサイトを作ろうと努力します。広告主にとっては訪問者が広告を目にする機会が増えていいですし、Googleにとっては良質なサイトが増えて検索結果の精度が向上します。まさに3者全員が得をする仕組みなのです。

 

 このようにGoogleは広告の仲介手数料でビジネスを成り立たせています。サイト運営者にはより良いサイト作りを促し、『広告収入』増加と検索精度の向上は今後も加速していくでしょう。

 



 

Yahoo! JAPAN

 続いてYahoo! JAPANについてです。Yahoo! JAPANは『ヤフー株式会社』という日本企業によって運営されています。元々Yahoo!はアメリカ生まれの検索エンジンであり、日本に進出するときに設立した現地法人が『ヤフー株式会社』です。

 

 当時から現在に至るまでの最大株主がソフトバンクグループなので本家米Yahoo!とは独立した経営を行っています。その証として本家米Yahoo!のURL(www.yahoo.com)とYahoo! JAPANのURL(www.yahoo.co.jp)は異なります。

 

 日本での検索シェアは2017年4月時点で26.6%。近年ではGoogleに差をつけられてしまっているものの、1日の利用者は約19億人だそうです。Yahoo! JAPANもGoogleと同じように検索は無料です。

 

 どのようなモデルで収益を上げているのでしょうか?以下は『ヤフー株式会社』の売上高と営業利益の内訳です。

 


 (出典:https://about.yahoo.co.jp/ir/jp/individual/businessareas.html

 

 売上高で65%を占めているのが『コマース事業』となっています。『コマース事業』とは何なのか、ヤフーの公式の説明です。

 

 コマース事業では、「ヤフオク!」「Yahoo!ショッピング」「Yahoo!トラベル」などのeコマース関連サービス、「Yahoo!プレミアム」「Yahoo! BB」などの会員向けサービス、「Yahoo!ウォレット」「Yahoo!カード」などの決済関連サービスなどを提供しています。

 

 ヤフオク!やYahooショッピング、Yahooトラベルなどで売り上げの大部分を占めているということですね。

 

 営業利益で68%を占めているのは『メディア事業』。言い換えれば『広告収入』のことです。利益についてはGoogleと同じく広告が最も多いんですね。

 

 Yahoo! JAPANの広告はGoogleのものと少しだけ形態が異なります。Yahoo! JAPANはトップにニュースやスポーツ情報、メール、電車の運行情報など色々なコンテンツが配置されています。それと一緒に広告も大々的に表示されています。

 

 

 

 1日に19億人が閲覧しますからトップに掲載するだけで宣伝効果は抜群です。トップページに様々な情報がのせられているのがGoogleと異なる点でもあります。

 

 これに加えて検索結果にも広告があります。例えば『車』と検索すると、上には車関連の広告が出ます。

 

 

 

 こういったところへの広告掲載料で検索サービスが成り立っているんですね。ちなみに検索結果への広告の表示はGoogleもやっています。

 

 なお、2011年から段階的にYahoo! JAPANの検索システムはGoogleの検索システムに移行していました。検索システムとは、ユーザーの検索ワードに関連のあると思われるサイトを探してくるシステムのことです。独自の検索システムを開発・維持するのは大変ですから、yahooはそれをGoogleに委託することにしたのだと思います。

 

 GoogleとYahoo! JAPANの検索結果がほぼ変わらないのは同じシステムを使っているからです。つまり表面上のシェアはGoogleが68.9%でYahoo! JAPANが26.6%ですが、検索システムのシェアはGoogleのシステムが68.9%+26.6%=95.5%になります。

 

まとめ

 このようにGoogleもYahoo! JAPANも検索サービスは広告収入で成り立っています。これらを運営するGoogle Inc.とヤフー株式会社は、いづれも収益モデルがしっかりした超優良企業です。この2つの検索エンジン(実際はGoogle)によるサービスはこれからも精度を高めて便利になっていくでしょう。今後に期待です!